図書館スタッフが読んだおすすめ本をご紹介します!
今回の担当者は、柑橘では柚子が一番好きなミントです。
今回紹介するのはこの一冊。
書名:『東京23話』
著者名:山内マリコ
出版者/出版年:ポプラ社/2015.08
ISBN:978-4-591-14611-8
請求記号:913.6ヤマ
4月に入り、暖かい日が増えたように感じます。春になり、お花見や買い物へでかけようと考える方もいらっしゃるのではないでしょうか。中央図書館の最寄り・春日部駅は複数の路線が通っていることもあり、栃木や東京など様々な場所へのアクセスが便利な駅と思います。そのなかでも今回は旅行ガイド本ともいえるような、東京へ出かけたくなる小説集をご紹介します。
こちらは東京新聞のサイトで著者が連載で執筆した作品をまとめたものです。東京23区に加え、武蔵野市と東京都の計25話の短編が収録されています。それぞれの区が擬人化され、自らの区の歴史や有名人、建築物について紹介してくれます。注目するポイントは、その語り口調。例えば文京区は区にゆかりある作家の有名な小説に登場する主人公と同じ口調で語ります。一方、渋谷区はギャルのように砕けた口調で語ります。まさにそれぞれの区へ持つイメージがそのまま人になったようです。そして、この本を読むと出版から現在までの10年間で東京から消えたもの、新たに誕生したものが多くあることを実感します。
巻末には「東京地図案内」も収録されているので、観光にも便利です。春のおでかけのおともにいかがでしょうか。
春日部市立図書館に所蔵していますので、ぜひ読んでみてください。