「図書館の本棚から 第8回」
図書館スタッフが読んだおすすめ本をご紹介します!
今回の担当者は、コロナ太りが気になる、でかまる子です。
今回紹介するのはこの一冊♪
書名:『西原理恵子×月野光司のおサケについてのまじめな話』
著者名:西原理恵子、月野光司
出版者/出版年:小学館/2010.7
ISBN:978-4-09-387864-7
アルコール依存症、と聞くとどのようなことを思い浮かべるでしょうか。お酒にだらしない、意思の弱い人がなるもの?
しかしこの本の二人の著者は断言します。依存症は病気である、だから専門家による治療なしには絶対に状況は好転しない、本人の意思でコントロールできないのが依存症なのだと。本人や家族が頑張ればいい、というのは大きな勘違いだと。
そう聞くと、薬物依存で何度も逮捕されてしまう有名人の話も合点がいきます。意思が弱いのではない、治療にたどり着くことができなかったのかな、と。
著者の一人、サイバラ先生こと西原理恵子さん。「毎日かあさん」でご存じの方も多い漫画家さんです。彼女の亡き夫・カモちゃんはアルコール依存症からのサバイバー(回復者)で、復縁後半年でガンのため亡くなります。サイバラ先生は、結婚半年後に何だか彼の飲み方はおかしい、と感じてから離婚するまで6年かかってしまったことを悔いています。依存症は、本人が「底つき(これ以上最低最悪の自分はない、という自覚)」と「気付き(お酒はやめなければいけない)」にたどりつき、自分の後始末は自分でするしかないとわかるまで周囲は放っておかないと、回復のスタートラインに立てないから。
このことをもう一人の著者・月乃光司さんはイネーブラー(結果的に飲酒に協力してしまう人のこと)、共依存(飲酒者をコントロールしようとすることが生きがいになってしまう)という言葉で説明しています。月乃さんは24歳でアルコール依存症を発症し、27歳からこの本を書いた45歳までお酒を飲まない生活を続けています(アルコール依存症は完治する病気ではない)。
依存症になる、というのは決して別世界のできごとではなく、正しい知識があれば恐れるものでもない、ということを教えてくれる1冊です。
春日部市立図書館に所蔵していますので、ぜひ読んでみてください♪
投稿日:2021年09月23日