「図書館の本棚から 第48回」
図書館スタッフが読んだおすすめ本をご紹介します!
今回の担当者は、夏でも湯船に浸りたいアヒル隊長です。
今回紹介するのはこの一冊♪
書名:『Presents』
著者名:角田光代
出版者/出版年:双葉社/2005.11
ISBN:4-575-23539-3
今までもらったプレゼントの中で印象に残っているものはありますか?それは恋人からのプレゼントかもしれませんし、ドキドキしながら待っていたサンタクロースからのプレゼントかもしれません。
この小説はオムニバスになっており、それぞれの作品には主人公が大切なプレゼントをもらうエピソードが描かれています。
私がこの小説で最も感情移入したのは「名前」という作品 です。両親から初めてもらうプレゼント「名前」にまつわるお話です。春子という平凡な名前が好きではなかった主人公が、自分の子どもをおなかに宿し、名前を付けようとした時、両親がどのような思いで自分に名前を付けてくれたのかということに気が付くのです。春子が我が子の名前をあれこれ考えている場面で、『川みたいな、光みたいな太陽みたいな、人を助けるような頼られるような、健康であるような人に好かれるような、いや、そんな意味など何ひとつなくたっていい、あなたがあなたであると認識してくれる名前であるならば』(同著P17)という一節があります。私自身、我が子の名前を考えていた時のことがありありと浮かんできて涙が止まりませんでした。
皆さんもこの本を読めばきっと大切なプレゼントの思い出がよみがえると思います。
春日部市立図書館に所蔵していますので、ぜひ読んでみてください♪
投稿日:2023年05月25日