春日部市立中央図書館ブログ

「図書館の本棚から 第12回」

図書館スタッフが読んだおすすめ本をご紹介します!

今回の担当者は、毎日猫動画を見る、猫好きたけまるです。

 

 今回紹介するのはこの一冊♪

 

書名:『ヤクザときどきピアノ』

著者名:鈴木智彦

出版者/出版年:CCCメディアハウス/2020.4

ISBN:978-4-484-20207-5

子どもの頃のお稽古事、みなさんにも経験があるかと思います。私の場合は、あまり楽しくないけれど親に言われて渋々だったり、レッスンに行くより友達と遊びたくてさぼったり、そんな思い出がお稽古事にはあります。

この本の著者は、ある日映画でABBAの「ダンシングクイーン」を耳にします。名曲ですね。私も大好きです。そして著者は自分でも驚くほど感動し、どうしてもピアノでこの曲を弾きたい!と、まずは50代、おじさん、初心者と言う厳しい条件での先生探しから始めます。厳しい道のりとなりますが、渋々通う子どもの頃のお稽古事に比べると、大人はやる気が違います。進歩は子どもより遅いけれど、そこは情熱でカバー。こんな情熱を持てるものに出合えた著者が羨ましくなります。その情熱があの頃の自分にあれば・・・

先生との出会いやレッスンでの語らいは、単に曲をマスターするだけではなく、大切なのは自分が強く望むこと、何事も遅く始めることはけっして損ではないこと、そして何よりも音楽を楽しむことを教えてくれます。

図らずも発表会へ出ることになってしまった著者は果たして「ダンシングクイーン」をマスターできたのでしょうか?この本にはQRコードがついていて、著者の演奏が聴けるのです。ぜひこの本を読んで、そして最後に努力の成果を聴いてみてください。きっと何か新しいことに挑戦したくなるのではないでしょうか?

春日部市立図書館に所蔵していますのでぜひ、読んでみてください♪

 

*本の詳細はこちらでご確認ください。(ページを移動します)
 

投稿日:2021年11月25日

「図書館の本棚から 第11回」

図書館スタッフが読んだおすすめ本をご紹介します!

今回の担当者は、歩くの大好き、テクテクです。

 

 今回紹介するのはこの一冊♪

 

書名:『バベットの晩餐会』

著者名:アイザック・ディネーセン

出版者/出版年:シネセゾン/1989.1

ISBN:4-8457-0391-2

皆さんは晩餐会と聞いたら何を思い浮かべますか?宮中晩餐会?ノーベル賞晩餐会?

私の紹介する『バベットの晩餐会』はノルウェーの小さな田舎町で開かれた、奇跡のような晩餐会を描いた掌編小説です。

舞台は19世紀。贅沢なものを食べる事は罪である、という信条のもとに暮らしてきた姉妹と、かつてパリの有名なレストランで料理長をし、革命によって全てを失い姉妹のもとに逃れ来て暮らすバベット。物語はバベットが1万フランの宝くじに当選したことから始まります。バベットが望んだのは、フランス式のディナーを作らせて欲しいという事。晩餐会の後のバベットが最高にカッコいい。「自分の持てる最高のものをだしき」りたい!それが芸術家なのだ!バベットの心の叫びに私は胸が熱くなりました。自分の力を出し切りたい、そんな気持ちは私達の心の中にもあるのではないでしょうか。

この本には晩餐会のメニューも載せられており、幸せなディナーに思いを馳せることが出来ます。バベットはこの晩餐会で宝くじの賞金1万フランを使い切ってしまうのですが、巻末のバベット事典によると1万フランは今の金額にして500万円から1000万円。この夜のディナーは1人当たり40万円から80万円ということになりますね。バベットの誇り高き心と共に、この素晴らしい料理を目でも味わって頂ければと思います。

 

春日部市立図書館に所蔵していますのでぜひ、読んでみてください♪

 

*本の詳細はこちらでご確認ください。(ページを移動します)
 

投稿日:2021年11月11日